エピソード④
見た目で判断しないこと。
これは結果論であり、見た目以上に人として分かりやすい部分はありません。
しかし見た目で判断しては行けないと思った夏の夜の出来事です。
その日は同期と後輩の3人で飲み会をしていました。
私は遠方から来ているため、次の日は仕事にも関わらず若手スキル朝帰りを発動する気満々でした。
結果、夜の12時を過ぎここら辺で締めますか。とその日は後輩宅へ泊まることにして帰ることにしました。
久しぶりの故郷、楽しいメンバー、酒の力もいつもより発揮しています。
ベロベロになりながら、後輩宅最寄駅を降り、ハイテンションの中私たち3人は歩いていました。その時のテンションはMステの階段を降りるKing Gnuです。
若い時は酒が入った状態でテンションに身を任せると、間、文脈、オチ、全てが成立しなくても笑いが起きるものですね。
さて、家につき
中に入ろうとすると
「ワレェ!!コラァ!!!」
ドラマのワンシーンのような一言が聞こえました。
「ナンジャア、オマエラァ、、、ウルサクシォウテ、、コラァ!!!」
セリフからするにヤバい人ですね
156センチ、45歳、バツイチ、色黒、短髪茶髪
一眼見た印象です。
あー、いかにも。
めんどくさい人に絡まれたなあ〜
しかしその人の話を聞くに、最寄り駅から騒いで帰っていた私たちを見て、注意しようと声をかけたみたいです。
「ワシャァ…コウイウモンジャケン」
夏場の暑日でした。その人は徐にTシャツを脱ぐと
上半身刺青で和彫柄の裸体を見さらられました。
その時は酒が入っており、私もそれが本当のヤバい人なのかフェイクなのか判断が出来ません。
「オマエラァ、シズカニネロォ!!!」
黙ってハイと言えばいいものを
はいよーとイラつかせる返事をしてしまいました。
するとその人は
イマノヘンジシタヤツダレダァ!!!!
あ、
私の発言でしたがそのヤバい人は隣にいた同期に
オマエカァ!!!
同期 違います
ダレジャア!!!!!!!!
やばいゲキオコだ
するとその人は私と目があった瞬間
ナンヤワレェ、ハンコウシトンノカア
するとその人は私にヘッドロックを仕掛けてきたのです
すかさずかわす俺氏
かわされたヤバ氏、それが逆鱗に触れ
モウイイ、マットレ、ヨブカラ
その言葉を放ち、ポケットからガラケーを出して電話をし始めたのです。
ガラケー!?
と思いながら携帯を開いてから電話越しに話をする間の時間が早いことに違和感を持った俺氏は思いました。
はっはーん、こいつさては、カマかけとるな
「呼んでもらって結構です」
するとその人はカチンときたのかステップを踏み始め、ファイティングポーズをとったのです
やられたらやられる。私もファイティングポーズをとりました。
喧嘩なんてしたくない、痛いのも嫌いです。しかしここで引いてたら今後の人生負けばかり。後輩もいる同期もいる。負けるはずがない。
しかし、現実は残酷です
アドレナリン放出中のため気付くのが遅れましたが、周りを見ると誰もいませんでした。
同期後輩は後輩宅へ逃げ込んでいました。
ヤバいやつに対しての闘争心、同期後輩への失望感、酒の高揚感、もう訳がわかりません。
すると気を改めた同期が戻ってきました。
ファイティンポーズ中の2人の間に割って入り、その場を落ち着かせてくれました。
ヤバい人は言います。
ココハ、ワシノオシエゴタチガスンデルバショナンジャ、シズカニシテモラワントソイツラニメイワクガカカル
まさかの一言でした
人の為だと!?こんな背がちっちゃくて半身和彫が人の為に!?
結局私は謝り、うるさくして帰るのはやめようと心に誓い今後の人生もしっかり人の為に歩んでいこうと思ったのです。
次の日は会社に遅刻しました。
でもそんなのどうでも良いんです。
人の為に
出来ることが
あるのであれば
やってみせよう
花の道
私は遅刻した時の上司に話したのです。前日こういうことが起きたのです、改めますと。
禿げていて、いつも嫌味ばかりしか言わず、肥満体型の救いようもなく、どうしようもない上司は言いました。
自分のことを理解し、自分をコントロール出来た人が初めて人の為に動けるのだ、と
こんなこと言うだ〜
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