エピソード①
エピソード①ということで
私の昔話チックなエピソードをご紹介致します。
私の家系は基本真面目な人種です。
悪いことはしない、人に迷惑をかけない、借りたら返す、ルールは守りましょうのご家庭です。
そんな真面目な家庭の中に一人だけ異才
を放っている方がおります。
お婆ちゃんです。
私の父方の母なのですが、素晴らしく破天荒です。
そんなお婆ちゃんに纏わるエピソードです。
私の姉と父、お婆ちゃんの3人で買い物に出かけた日のことでした。
いつも行ってるショッピングモールへ行き、一通り買い物を済ませ、各々単独行動に。
そろそろ帰ろうかと最終的に集合したのは私、姉、お婆ちゃんの3人でした。
父は車に戻ってくるのかもしれない、と携帯の持っていない幼少期の私と姉、携帯は持っているが連絡するのが手間思考のお婆ちゃんで駐車場に戻ることにしました。
駐車場に戻ると父はおらず、車に鍵がかかっている状態。
真夏の駐車場は外にいるだけで汗をかいてしまうほどの状況化。
早く車に乗り冷房を全開でかけてしまいたいと思っていたその時
遠くに車へ向かってくる父の姿が見えました。
すると父は途中で立ち止まり辺りをキョロキョロ、また店内へ戻ろうとしていました。
私と姉は父(タケシ)の名前を呼びますが全く気づきません。
走って呼び止めようとしましたが、距離があるため追いつく前に店内に入られてしまう。どうしようと焦っていた時、お婆ちゃんが叫んだのです。
「タケシ!フォーーーーーーーー!!!!!」
え?
なぜそこでフォー?
するとあんなに叫んでいたのに気付かなかった父が振り返り車へ向かってきたのです。
そこで気づいた父も父ですが、
フォーと山奥で狼が仲間を呼ぶ時と同じトーンとデシベル、圧巻でした。
駐車場に響き渡るフォーはとてもかっこよかったです。
今度から遠くに居る人を呼ぶときはフォーした方が気づいてくれることを学んだ6歳の夏でした。